カンボジアリバーサイド応援隊

男性専用ブログです。

飛車、角を得る



プノンペンに有ります日系小売店は、漸く販売員2名体制に移行する事が出来ました。

やっと、店らしくなって来ました。

新しく採用しましたスタッフKは、働くのが初めてです。それは、大学卒業時にお母さんが病気で、看病の為就職が出来なかったからです。

残念ながら、お母さんは亡くなられた様ですが、やっと気持ちの整理もつき、応募して来ました。


見た感じ、ええとこの子に見えます。英語もしっかりとしております。期待大ですね。

この小売店は、カンボジア人のお客さんだけで無く、ヨーロッパ人、日本人、中国人、韓国人と外人客も多く、スタッフは英語力が必要とされています。


新卒スタッフのSは土日のフルタイム、1日12時間、勤務です。週2日だけです。彼女は、インターンで他の店で勤務した経験があり、また彼女もしっかりした英語を話します。KとS、2人とも、マネージャーの頼りない英語と大違いです。

2人とも、何かええ感じです。


新規体制で、3、4ヶ月経った頃でしょうか。

マネージャーから、Sから退職希望が出て、今月で退職しますと、日本人 Tに連絡があります。

次の店も、決まっている様です。

ほぼ、同時に日本人 Tにも、スタッフSから、

メールが来ます。

内容は、

大変お世話になりました。この店で、大変貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。

と丁寧な内容でした。


日本人 Tは、驚きます。何故なら、普段土日勤務のスタッフSとは、余り接触が無いからです。

しかしSが、土日に非常に良い売り上げをあげてくれているのは、知っております。

Tは、メールをくれた事は彼女にも、若干店を辞める事に残念さがあると感じます。

マネージャーに、退職理由を聞きます。


それは週2日で無く、週5日で働きたいからです、とマネージャーは、答えます。

よし、分かった。 Tが手伝ってます小売店でも、週5日勤務は可能と、判断します。

スタッフの多少のタブつきより、Sを失う方が問題だと、考えます。


たまたま、次の日がSが勤務する土曜日でしたので、早速店に出向き、話しをします。

就職事情を聞きますと、やや条件は悪い様です。

給料は、そこそこですが、晩の10時までの勤務です。ただ、既に雇用契約書にサインをしている様です。しかし、説得します。あなたの力を発揮出来るのは、この店ですよ。そんな晩の10時まで勤務の店なんか、8時過ぎたら、お客さん来ないで!それと、帰りは危ないで!


先方より、良い給料を提示して、何しか説得します。彼女も、晩の10時までの店より、今の店で継続した方が給料も良いし、働きやすいのは、理解します。しかし、サインをしてしまっているのが、ネックです。


彼女は、少し考えさせてください、と言います。

OK、考えてください。

あなたが、私にメールをくれたのも、この店で力が発揮出来たからやろ、あなたが力を生かせるのは、ここやで、と Tは続けます。


4、5日してから、Sからもう一度お世話になりますと、連絡がありました。

やった!説得は成功しました。

Sは、サインした店に断りに行きました。

しかし、責任者がおらずに、後で連絡すると、言われました。それから、連絡が全然有りません。

Sは、再び訪ねましたが、同じ事の繰り返しでした。ローカルの店は、そんなもんですわ。


方や、日本人から説得され、方や何の連絡も無い、結果は明白でした。

Sは、週5日、午前11時から午後8時までの勤務となりました。最初に、紹介しましたスタッフKは、午前8時から午後5時まで勤務します。

Kも、仕事が非常にスムーズで、頭の良さが随時に発揮されます。初めて仕事をする子とは、思えないくらい優秀です。


やりました、とうとう小売店に、レギュラーで勤務する優秀な人材2人を確保する事が出来ました。

もう安心です。

マネージャーは、2人目の子供の出産の為に、産休に入ります。大丈夫です。

安心して、休んでください。

マネージャーが産休に入っても、売り上げを落とす事は、無かったです。


この2人を中心に、小売店はどんどん売り上げを上げて行きます。Sの説得が大成功でした。

正に、飛車、角を得たと Tは思いました。